| 第35回 「レジンって、何?」 (2003年4月16日UP) |
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| 「レジンってどんな物なんですか?」 「樹脂ってどんな質感なんでしょう?」
「レジンを成型して作品を作るって、どういうことなんでしょうか?」などなど、いろいろなご質問をいただきますので、今回は想い出とはちょっとはなれますが、レジン・樹脂についてお話してみましょう。 と、いいましても私だってそれほどくわしいわけではありません。 まず「樹脂」という言葉についてですが、本来樹脂というのは松やにや漆(うるし)のことをいい、私が作品を作るのに使っていますものは「合成樹脂」といいます。 つまり人工樹脂、ということですね。 原材料はほとんどが石油ですが、最近は地球環境を考慮して、リサイクル樹脂というものの研究も進んでいるようです。 樹脂の種類がどのくらいあるのか、私には皆目見当もつきません。 おそらくはものすごい数でしょうね。 そうした様々な樹脂を、それぞれの用途に合わせて成型し、いろんな商品に作り上げて市場に出回るのでしょう。 今、私たちの生活に、樹脂は必要不可欠なものになっています。 身のまわりをご覧ください。 携帯電話、パソコン、CD ・MDプレーヤー、目覚まし時計、生活小物、キッチン用品、なんにでも樹脂が使われています。 樹脂だらけといってもいいでしょうね。 もし今 樹脂製品を使うことを禁じられたら、現代人の生活はその日から成り立たなくなるくらい、切っても切り離せないものとなっています。 実はこうした樹脂製のものは、ほとんどの物が自分で作ることができるんですよ。 つまり樹脂を成形して作品を作る、何かを作るということは、自宅で工場と同じことを小規模で行う、ということなんです。 といいますとなにやら大変そうだ、専門の器具や道具なんかが必要なんだろう、と思われるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。 それこそ紙コップと割りばしだけでも成形することはできますよ。 みなさんにとりましてよくわからないのが、プラスチックやビニールと、樹脂の違いでしょう。 どう違うんでしょうか? プラスチックという素材の提議はよくわかりませんが、プラスチックも合成樹脂ですから、結局はすべて同じと言ってもいいと思いますよ。 要するに言葉の違いですよ。 私のように樹脂で作品を作る者にとりまして、その原材料が何であれ、またプラスチックやビニールとの違いが何であれ、どうでもいいんですね。 主剤に硬化剤を混ぜ合わせると化学反応によって固まる、それだけわかっていればいいと考えています。 私にとりまして、必要ない知識ですからね。 私たちが東急ハンズさんなどで買うことができる樹脂は、「エポキシ樹脂」 「ポリウレタン樹脂」 「ポリエステル樹脂(FRP樹脂)」がありますが、私のサイトで扱っているのは、前の2種類です。 どう違うのでしょうか? まずエポキシ樹脂とポリエステル樹脂は透明タイプです。 ポリウレタン樹脂は固まると白、ベージュ、ナチュラル、黒などの色になります。 素材としての優劣はそれぞれの用途によりますから、一概には言えませんが、エポキシ樹脂はちょっと高価ですね。 同じ透明タイプのポリエステル樹脂は値段は安いですが、成型後もにおいが臭く、また紫外線によって変色もしやすいですから、値段相応だといえるかもしれません。 ポリエステル樹脂は、一般には浴槽やプールの防水などに使われています。 ちなみに私はポリエステル樹脂は使いません。 上記の理由で、作品作りには適していないと思うので。 これらの樹脂は、どれも主剤と硬化剤を混ぜ合わせ、その化学反応によって固まるタイプです。 固まったあとは、熱によって溶けたりすることはありません。 (日常生活で使う程度の熱では、という意味です) 硬化時間はその樹脂の種類によって様々ですが、私のサイトで扱っていますエポキシ樹脂は、だいたい24時間から72時間。 ポリウレタン樹脂は数分から十数分と早いです。 ポリエステル樹脂は、硬化剤の量によって変わります。 扱いやすさではポリウレタン樹脂ですが、エポキシ樹脂もそれほどむずかしいというわけではありませんよ。 むずかしいものであれば、不器用でめんどくさがりの私がのめりこむはずがありませんから(笑) 樹脂で作品を作るには、シリコンで型を作るのが一般的ですが、「Let’s make!」でご紹介していますように、シリコン型を使わずに作れるものもあります。 シリコンも樹脂と同じように、硬化剤を混ぜ合わせると固まります。 シリコンで型を取るには多少コツを要しますが、「Howto」をお読みいただければ、どなたでもできると思いますよ。 シリコンの型ができましたら、樹脂を流し入れて成型します。 硬化時間はその樹脂によって違いますし、どんな樹脂でも少量を固めますと、完全に硬化するまでに時間がかかります。 また、一度に大量に成型しますと、急激に化学反応がおきて、とても危険です。 樹脂の種類と量によりましては、爆発することもありますから、十分にご注意くださいね。 一度に成型できる量は、ポリウレタン樹脂でだいたい500ml 、エポキシ樹脂で200mlまでとお考えください。 (成形するものの形状にも左右されます) 成型した樹脂、つまり固まったものは、はみ出したところを切ったり、削ったりして加工することができますし、ドリルやルーターなどで穴をあけたりすることもできます。 また、樹脂そのものを染色することも、あとから着色することもできます。 ですから先にも書きましたように、身のまわりにある樹脂成型品は、そのほとんどが自分で作ることができるのです。 しかもそれ程大掛かりな器具を必要としないで。 それが樹脂の楽しさなんですね。 樹脂で作品を作るようになると、雑貨を買わなくなります。 なぜなら自分で作ったほうが、自分の好みに仕上げられますからね。 マスコットやフィギアーを成型したり、ミニチュアのグラスやコップを作ったり、ドールアイを作ったり、アクセサリーを作ったり、複製品を作ったり、透明エポキシ樹脂の中に昆虫や花を封入したり、いろんな作品作りに使うことができますから、その多様さはほかの素材とはくらべものにならないと思いますよ。 透明エポキシ樹脂は、成型するだけでなく、作品のツヤ出しやコーティング、または接着剤としても使うことができます。 私は以前、いつも行く山小屋の木の階段が腐りかけていたので、樹脂でコーティングして補修したことがありますし、作品の接着する部分は、ほとんどエポキシ樹脂でつけています。 エポキシ樹脂は樹脂の中でも組織の結合が強いそうで、コーティングにも接着にも効果を発揮します。 (余談ですが、昔の遺跡から発掘された木製品などは、特殊な樹脂をしみ込ませて風化を防ぎます。 また痛んで、穴などあいてしまった樹の治療に、シリコンが使われています。 シリコンはやわらかいですから、樹の膨張や成長に合わせて形を変え、接着性も高いですから、隙間から水が染み込むこともなく、樹を守るのだそうです。 閑話休題) ポリウレタン樹脂を作っているメーカーは数社ありますし、エポキシ樹脂もたくさんの種類があるようです。 私はそれを全部試したわけではありませんが、中には品質の悪いものもあります。 成型後も表面がベトベトしたり、うまく硬化しなかったりするものもあるようです。 私のサイトで扱っています樹脂は、どちらも高品質ですから問題ありませんが、その他の樹脂に関しましては、値段と品質は比例するとお考えになっていいと思いますよ。 樹脂は一般に紫外線にあたりますと、色が薄い黄色に変色する性質があります。 これもメーカーによってその差があるようです。 しかし樹脂に限らず、ほとんどの素材は紫外線に弱く、変色したり、品質が劣化したり、褪色したりしますから、特に樹脂が素材として劣っているわけではありません。 また熱に対しての強度も種類によってだいぶ違うようです。 エポキシ樹脂は熱に弱く、40度程度でやわらかくなってしまいます。(溶けることはありません) ポリウレタン樹脂は比較的熱に強く、80度程度にならないとやわらかくなったりしません。 私はこの性質を逆手にとって、真っ直ぐや平らに成型してから熱を加えて変形させたりしています。 その方が型を取る際に、シリコンの量を節約することができますし、成型もしやすいのですよ。 照明の「炎」「影」、バラの鏡やフレームに飾っているバラも、そうして成型したあとに、温めてやわらかくしてから、変形させて形を整えて作った物です。 成形前、液状の樹脂は、湿度を吸いますと品質が劣化します。 ポリウレタン樹脂は成型品に気泡ができてしまいますし、エポキシ樹脂は成型品の一部にベトつきが残ったりしますから、開封後は早めに使い切る必要があります。 以前は少量のキットがあったのですが、PL法施行の影響で生産中止となってしまいました。 シリコンは小分けでお売りすることができますが、樹脂は開封することができませんので、残念ながら小分けでの販売ができないのですね。 ポリウレタン樹脂は湿気を吸ってしまっても、脱水剤を添加しますと、元の性質に戻すことができますが、エポキシ樹脂はそういうわけにはいきませんので、やはり早めに使い切った方がいいでしょうね。 またエポキシ樹脂の硬化剤は、開封後時間がたちますと黄色に変色しますが、硬化しますとほぼ透明になります。 などなど、楽しい素材である樹脂にも、多少の制約といいますか、約束ごとがありますから、そのことをご理解いただいた上で、ご購入をご検討くださいね。 樹脂は本当に楽しい素材です。 私はその楽しさに病みつきになって、こうして樹脂でインテリア雑貨を作ること、または樹脂の扱い方をお教えすることが職業となってしまったのです。 いろんな作品作りに利用でき、しかも簡単で、特に道具も必要なく、それでいて市販品と同じものが自分で作れてしまう、この楽しさをあなたもぜひ体験してみてくださいね! |