今回はとても間違いの多い、「シリコン離型剤(りけいざい)」についてご説明しましょう。 まず間違いで多いのが、「シリコン剥離剤(はくりざい)」との混同ですね。 「剥離剤」と「離型剤」はなんとなく似ていますが、似て非なるものです。 「シリコン剥離剤」は、立体物の型を取る際に、シリコン同士がくっつかないように、シリコン型に塗るもので、「シリコン離型剤」はレジンを成型する時に、シリコン型に吹き付けて型離れをよくし、型を劣化から守るために使います。 「剥離剤」はなかなか手に入らないものですから、これをお使いになる方は少ないと思います。 たいていは「離型剤」を「剥離剤」ように使っているケースですね。 つまり型を取る時に、シリコン同士がくっつかないように、「離型剤」を吹き付けて取れなくなった、というケースです。 離型剤の中身は液体シリコンですから、当然くっついてしまうのですよ。 あるいは型を取る時に原形に吹き付けてしまうケースですね。 この場合原形の表面で離型剤が水滴状になり、それが型に凹みを作ってしまいます。 この間違いもとても多いです。 ほかのサイトさんや本などでそう説明していることがありますが、これは間違いです、原形には離型剤を吹き付けないでくださいね。 レジンを成型する際に、離型剤を必ず吹き付けなければいけないのかといいますと、決してそうではありません。 成型する物の形や、原形の仕上げ具合にもよりますが、10個以内でしたらきれいに成型することができます。 ただ20個、30個と成型するのであれば、離型剤をお使いになった方がいいと思いますよ。 もちろん食用油でも代用できます。 シリコン型に離型剤を吹き付けるときのご注意としまして、吹き付けたあと必ずティッシュペーパーや綿棒で、型の表面の余分な液体シリコンを拭き取ってください。 そうしませんと先ほど書きましたように、成型品に水滴状の凹みができてしまいます。 拭き取ったあとガムテープなどで表面に付着したほこりやゴミを取り除き、それからレジンを流し入れますと、きれいな成型品を作ることができますよ。 またホームセンターなどで売っています、300円程度のシリコンスプレーをお使いになる方がいらっしゃいますが、これはシリコンでのレジン成型には不向きですから、おやめになった方がいいですよ。 成型品の離型性が低いですから。 また「剥離剤」はわざわざお求めになる必要はなく、プラモデル用のラッカーで代用した方が使いやすいですし、しかも安上がりですよ。 みなさんは離型剤をじょうずに使って、きれいな成型品を作りましょうね! |
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