樹脂 (レジン) の種類とその品質
成型用として販売されています樹脂 (レジン) には、とてもたくさんの種類があり、どれを使ったらいいのかわからないのではないでしょうか? 私もすべてのレジンを試してみたわけではありませんので、くわしいことはわかりませんが、だいたい次のような性質である、ということを認識していただければいいと思います。
◎ポリウレタン樹脂 ・・・・・このレジンは透明ではなく、種類によって白やベージュ、黒などの色に固まります。 一般的にプラスチックと呼んでいるものに近い質感ですが、カッターナイフで削ったり、ドリルやキリなどで穴をあけることもできます。 また染料で染めることもできますから、白に染料を混ぜ合わせることで、パステルカラーを作ることができます。
A液とB液を同量計量して混ぜ合わせますと、数分で硬化しますから、複製を作るのに適しています。 また、ポリウレタン樹脂で複製をたくさん作って、さらにその型を取ることで、一度にたくさんの複製を作ることができます。 値段も比較的安く、硬化不良も起こりにくく、一番簡単に扱えるレジンだと思います。
◎ポリエステル樹脂(FRP樹脂)・・・・・このレジンは透明です。 手に入りやすい、値段が安いという理由で、このレジンをお使いになる方が多いのですが、透明度が低いです。 また、においが臭く、成型後も数週間においが取れません(低臭気のものもあります)。 さらに成型後に表面がべとついたりしますし、紫外線による劣化(黄色化)も比較的激しいようです。 このレジンは元来、浴室やプールなどの防水用です。
◎透明ポリウレタン樹脂・・・・・このレジンも透明度はいまいちのようですね。 しかも成型後べとついたり、表面が白濁したりすることがあると聞きました。
◎アクリル樹脂・・・・・透明度は高いようですが、シリコンで成型した時に、果たしてシリコンに接していた部分が透明になるのかどうか疑問ですね。 私は試したことはありませんので、くわしいことはわかりません。
◎紫外線硬化型樹脂・・・・・このレジンは成型用ではなく、接着や塗装に使われるものですから、品質はあまりいいとは言えません。 透明度が低かったり、成型後に表面がべとつくなど、きれいな成型品を作るにはどうでしょうか。
◎低粘度エポキシ樹脂・・・・・「気泡が抜けやすい」「細かいところへも流れ込みやすい」ということですが、私が試してみたところでは納得のいくものではありませんでした。 まず気泡ですが、ようは混ぜ合わせ方ですから、細い棒などで早く混ぜ合わせれば気泡はたくさん入りますし、その気泡は抜けることはありませんでした。 また低粘度ということに関しましても、普通のエポキシ樹脂も40度程度に温めますと、さらっと水のようにやわらかくなりますから、特に低粘度で流し込みやすいという印象はありませんでした。 結局は作業の仕方、ですね。
◎急速硬化型エポキシ樹脂・・・・・確かに硬化時間は短いです。 が、そのぶん気泡などはそのまま残ります。 ですから接着剤として使うのであれば有効ですが、成型用には不向きです。 また少量を硬化させるため、主剤と硬化剤の混合比に誤差が生じやすく、成型後の表面にべとつきが残ることが多いですね。
以上の理由から私は当サイトで扱っています「アイ・ティー・ダブリュー・インダストリー社」の「高透明注型用エポキシ樹脂」を使っていますし、みなさんにもお薦めしています。
またポリウレタン樹脂に関してですが、これも数社から発売されていますが、中身にはほとんど変わりがないと思いますよ。 ただしメーカーによりましては、品質の劣悪なものもありますからご注意くださいね。 こうしたものは成型後に表面がべとつくなどの不具合があります。 値段と品質はだいたい一致すると思っていただいていいでしょうね。
強度に関して
横からの力に対する柔軟性は、ポリウレタンレジンの方が優れています。 サンプルチップではわかりにくいですが、長く成型しますとかなり柔軟にしなります。
白より黒の方がさらに柔軟性に富んでいます。
エポキシレジンはポリウレタンレジンと同じように曲げようとしますと、折れてしまいます。 しかしポリウレタンレジンも柔軟性はありますが、力が加われば折れてしまいますから、強度はどちらもそれほど変わらないでしょうね。
引く力に対してはエポキシレジンの方がかなり強いですね。組織の結合性ではエポキシはレジンの中でも強固だそうです。 ただしこれらは成型物の形状に大きく左右されます。 太いもの厚いものは当然強く、薄いもの細長いものは弱いというわけですね。
耐熱性に関して
エポキシレジンは相対的に熱には弱いですね。 これも成型物の形状によって違いますが、40度程度に温めますとやわらかくなります。 やわらかくなるといいましても、溶けるわけではなく、ビニールや硬めのゴム程度のやわらかさです。 冷えるとまた元のとおりに硬くなります。
直径1センチの棒状の成型物でも、夏の締め切った室内ではやわらかくなってしまいます。
一方ポリウレタンレジンは70〜80度程度まで硬いままです。 通常これほど高温になることはありませんから、まず変形はないといっていいと思いますが、直射日光の当る場所ではやわらかくなって変形することがありますので、置き場所には注意が必要です。 真夏に車中などに置きますと、変形する恐れがあります。
ただし、いったん変形してしまっても、熱を加えて元の形に戻すことができます。
劣化に関して
レジンは空気中の酸素によって薄い黄色に変色する性質があります。 エポキシレジンの中には変色しない、あるいはしにくいタイプもあるようですが、当サイトで扱っていますエポキシは多少変色します。
この黄色化を防ぐ方法は今のところありません。
成型時にほんの少し青の染料を混ぜて硬化させますと、黄色化がわかりにくくなります。 また染色してしまうとまず変色はわかりませんね。
ポリウレタンレジンの白もエポキシに同じです。
しかし酸化するのは特にレジンに限ったことではなく、紙でも木材でもビニールでもプラスチックでもそれは変わりがありませんから、黄色化するからといいまして、素材として劣るわけではありません。
作業上の扱いやすさに関して
ポリウレタンレジンの方が簡単ですね。 主剤と硬化剤を同量混ぜ合わせて5〜10分程度で硬化するのに比べ、エポキシレジンは主剤2:硬化剤1を正確に計量し、丁寧に混ぜ合わせて流し入れてから、完全に硬化するまでに1〜3日かかります。
ポリウレタンレジンは多少混合比に誤差があっても硬化しますが、エポキシは硬化不良を起すことがあります。 ですから計量にはデジタルはかりをお使いになることをお薦めしますよ。
少量を硬化させる場合は誤差が生じやすいです。
ポリウレタンレジンは硬化時に多少気化ガスが発生し、体質によりましては皮膚がかぶれるなどの症状が出ることがあります。 作業中は換気をし、型に流し入れたら硬化し終わるまで近づかないなど、ご注意くださいね。 もっともそれほど強いガスというわけではありませんから、さほど神経質になることはないと思いますよ。
エポキシレジンは硬化時ににおいなどが出ることはありませんが、硬化剤には多少においがあります。 しかし硬化後は完全に無臭になりますので、アクセサリーなどをお作りになる場合にも心配はありません。
硬化後の加工はどちらも同じようにすることができます。 ですから作る物、あるいは利用することによって、レジンの種類を替えてお使いになるといいでしょうね。
人の肌との相性に関して
「樹脂製のアクセサリーを身につけて、かぶれませんか?」、というご質問をよくいただきますが、樹脂はいわゆるプラスチックの範疇に入るもので、同じ物と言ってもいいと思いますから、私たちの身のまわりにあります携帯電話ですとか、PCですとか、CD・MDプレーヤーなどとほとんど変わりありません。
市販されていますファッションアクセサリーも、だいたい同じ素材です。 人はそれぞれ体質が違いますから、「絶対にかぶれない」
とは言えませんが、少なくとも私は樹脂でかぶれたという話は聞いたことはありません。
樹脂を成型する際に原液に触れたり、硬化時に発生する気化ガスを吸ったりしますと、体質によりましてはかぶれたり、発疹ができることもあるようですが、それとてもさほど刺激の強い物ではありません。
アクセサリーなどをお作りになっても、大丈夫だと私は考えています。
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